2等車

【車両紹介】ÖBB Bmpz70<2等車オープンタイプ>

オーストリア連邦鉄道に所属する2等車オープンタイプ客室の客車「Bmpz70 20-94-000」の紹介です。

概要

Bmpz70 20-94-000」はオーストリア連邦鉄道(以下ÖBB)が所有する旅客用客車です。同形式は1994年から1995年にかけて59両製造されました。

こちらの形式はモジュラーワゴンと呼ばれる、SGP社の新しいモジュール車体を使用しているため、それまでの丸い屋根の車両とは異なり、四角く角ばった屋根の形状が特徴の車両です。

車体の横幅がこれまでのヨーロッパ標準規格よりも大きいためRIC規格に適合されず、走行が認可されたオーストリア、ドイツ、スイスの3カ国のみ走行することが可能です。
そのため、上記の3カ国で使用される交流1000V 16.7Hzの電源のみに対応しています。

登場からまもない1995年8月にオーストリア西部ブラーツ(Braz)付近で発生した事故により車体番号036番が廃車となったため、2023年現在では58両が運用されています。

2004年から2009年にかけて、車内のアップグレード改造が施されました。

RIC規格に適合しない以外は、200km/hの走行に対応しており、客室内も高速走行時の気圧対策が施されているなど、機能面では優れた車両です。

3カ国の国内のみでしか運行できないため「Bmpz70 20-94-000」は、主にオーストリアの国内で設定されているインターシティーやシュネルツークで使用されています。RIC対応ではありませんが高速走行が可能なため、オーストリア中の優等列車に編成されています。

設備

車内は、横4席の通称集団お見合いせき配置と呼ばれる、中央のテーブル席を中心とした方向に座席が向いている席配置となっています。そして、車内にはその座席配置の区画が3つ用意されています。

テーブルのある座席を中心に同じ方向を向いている座席配置です。
仕切りで3つにエリアが区切られる車内。
オーストリアでは大人気のテーブルボックス席。
車端部のドア横には2台用と少ないですが、自転車用の置き場が用意されています。
スイスのチューリッヒ中央駅に乗り入れるBmpz70。
この日は夜行列車のコンパートメント車両の代わりに運用に入っていました。

スペック

形式Bmpz 70 82-94 000
クラス2等車
座席タイプ横4列 中央通路オープンタイプ客室
最高速度200km/h
定員78人
対応電源交流1000V 16.7Hz
RIC規格
認可国オーストリア・ドイツ・スイス
トイレ設備あり(1箇所)
その他自転車置き場(2台)
車両側面に記載されている車両番号です。
RICに不適合のため、速度表記(右側の200の数字)の横には大きくバツマークが書かれています。
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