1等車

【車両紹介】ÖBB ADbmpsz73<1等車オープンタイプ>

オーストリア連邦鉄道に所属する1等車オープンタイプ客車「ADbmpsz73 82-91-000」の紹介です。

概要

ADbmpsz73 82-91-000」はオーストリア連邦鉄道(以下ÖBB)が所有する旅客用客車です。1990年から1991年にかけて33両製造されました。
製造時は中央通路オープンタイプの2等客室と荷物室の合造車である「BDmpsz73 82-91-000」として登場しましたが、2004年から2008年にかけて改造が行われ、現在の1等車と荷物室の合造車の「ADbmpsz73 82-91-000」となりました。

改造前の「BDbmpsz73 82-91-000」時代に車両番号027番が火災のため廃車となったため、2023年現在、32両の「ADbmpsz73 82-91-000」が運用されています。

こちらの形式は、製造当時から時速200km/hでの走行も可能で、高速走行時の気圧対策も施されているなど、現在に合わせた仕様として製造された優れた車両形式となっています。

車体はRIC規格に対応しており、電源もヨーロッパ4電源に対応しているため標準軌の線路であれば、基本的にヨーロッパ中を走行することが可能です。

ADbmpsz73 82-91-000」は、オーストリアの国内外で走行する長距離列車で使用されており、同じく1等車の「Amz73 19-91-500」とともに1等車需要を担っています。特にこちらの形式は、大きな荷物室は自転車の大量輸送もできることから、ミュンヘン、イタリア路線のユーロシティーや、国内の各種インターシティー便の自転車置き場として重宝されています。

設備

車内は横三列の中央通路タイプの座席配置となっており、皮張りの椅子が26席配置されています。26席のうちテーブルを挟んで向かい合わせの席が、1列側と2列側に2箇所ずつ用意されています。そのほかの席は、向きが固定の通常座席となっています。

また、トイレ側の4席はテーブルが無い向かい合わせの配置ですが、ここは車椅子対応の席となっており、車椅子の利用客が優先的に使用する座席です。

客室内の様子。トイレ横の壁側4人席が車椅子対応の座席となります。
荷物室側の座席の様子。
客室側から荷物室の廊下を見た写真。
荷物室の内部の様子はこちら。
荷物室の客室側には車内販売用のワゴンや乗務員休憩用の椅子が置かれています。
車端部側の荷物室の車内はこちら。
撮影時は自転車利用がない日でしたので、何も置かれていませんでした。
この形式のトイレは、車椅子タイプとなっているため、かなり広い空間が確保されています。
こちらの客車のトイレは、この車椅子対応のトイレが1箇所のみとなっています。

特別な車両

この形式の車両番号012番のみ、ドアが赤い特別な仕様となっています。

通常は側面の帯色である灰色に塗られたドアとなっていますが、012番だけは赤色に塗られています。
灰色と違い赤色となっているため、かなり目立つ車両となっています。
赤ドア車の側面の車両番号はこちら。012番であることがわかります。

スペック

形式ADbmpsz 73 81-91 000
クラス1等車
座席タイプ横3列 中央通路オープンタイプ
最高速度200km/h
定員26人
対応電源ヨーロッパ4電源
RIC規格対応
トイレ設備あり(1箇所・車椅子対応)
その他荷物室
車両側面に記載されている車両番号。
車両番号が000のため、この車両はトップナンバーの車両となります。
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